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いまわかっている情報で対策を立てなければなりません。 そこで、対策に役立ちそうな情報というのを整理してみます。
1:患者が高熱を発しているときに感染力が高まるようである。 2:発病してから10時間ぐらいで死ぬことが大半である。
3:空気伝染と考えられる。 4:ウイルスが病原体とみられる。

5:肺と脳を選択的に攻撃するウイルスである。 6:少なくとも過去には存在しなかった新型のウイルスである。
以上のようなことが、おぼろげながらわかったという段階です」この程度の情報で、果たして対策のようなものが立てられるのだろうか・・・。 とても、むずかしいといわざるを得ない。
しかし、これだけ問題になっているのだから、対策を立てないというわけにはいかない。 そこへ、さきほどの女性秘書がメモを持って入ってきて、厚生省の保健医療局長に手渡した。
局長が見ると「A新聞の記者の方が見えています。 結果はわかり次第教えてほしい。
それまで、何時間でもお待ちします」ということである。 局長は、ちょっと手を挙げて、集まっている人達に発言を求めた。
「どうもマスコミに唄ぎつけられたようです。 いくらなんでも、元日だから大丈夫と思ったのですが・・・。
こうなるとやむを得ませんので、なんらかの対策を今日中に出すことにして下さい。 よろしくお願いします」といった。
一瞬、全員が憂諺な顔をした。 それもそのはずである。

先に説明した程度の情報をもとに対策を立てるというのは、冒険にも等しい。 しかし、対策を立てないわけにはいかないことも、みんながわかっている。
一体どうすればいいのだろう。 そういう心境である。
そのあたりの雰囲気を察した局長は「行政上の責任はすべて、厚生省でもちます。 先生方には、ご迷惑をかけませんから」と付け加えた。
そして「A紙の記者に会ってきましょう」といって立ち上がった。 別の部屋で待機していた、その記者は「どうも、大変なところをすみません。
しかし、私たち国民にとっても、いまの最重大関心事ですから、よろしくお願いします」といった。 局長は「何時に結論が出るかはわからないが、もし、済むまで待つということなら、待機していて下さい。
簡単には結論は出ないと思いますよ」といった。 その瞬間、局長は、断固として、今日中に結論を出さざるを得ない、と決心した。

なんらかの対策をたてないわけにはいかない。 しかし、情報としては、さきに説明したようなものしかない。
みんな心の中では、思案投げ首である。 そうしていたとき、ウィルス学者のD博士が「ちょっとK先生に聞いてみよう」といい出した。

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